米大統領、プーチン氏を「戦争犯罪法廷」にと強調 欧州諸国も一斉非難

演説するバイデン米大統領=3月31日、ワシントン(ゲッティ=共同)
演説するバイデン米大統領=3月31日、ワシントン(ゲッティ=共同)

ロシア軍によるウクライナ侵攻をめぐり、同国の検察当局は3日、露軍から奪還した首都キーウ(キエフ)近郊から、民間人410人の遺体を搬出したと発表した。ウクライナ当局は民間人殺害の「戦争犯罪」などがあったと断じ、兵士ら個人の戦争犯罪を裁く国際刑事裁判所(ICC)に捜査を要求した。欧米主要国も4日までに、一斉にロシアを非難。ロシアは「捏造(ねつぞう)だ」と主張した。

ゼレンスキー大統領は4日、多数の民間人の遺体が見つかったキーウ近郊ブチャを視察し、「ロシアはジェノサイド(集団殺害)と戦争犯罪を行った」と非難した。ウクライナメディアが伝えた。同国外務省は同日までに、ICCに捜査要請書を送付した。

バイデン米大統領は同日、プーチン露大統領を戦争犯罪法廷にかけるべきだとの考えを示し、対露追加制裁を発動すると強調した。トーマスグリーンフィールド米国連大使も、ロシアの国連人権理事会でのメンバー資格停止を総会に提起する考えを示した。

欧州連合(EU)のミシェル大統領も対露追加制裁を実施する構えを見せ、ジョンソン英首相やマクロン仏大統領、ショルツ独首相もロシアを非難した。

一方、タス通信によると露国防省は「一人の住民にも手を出していない。(遺体の)写真はウクライナ政府の挑発だ」と反論した。

露軍は3日、キーウ南西ワシリコフの軍事施設などを破壊したと発表。東部ハリコフも同日、砲撃を受け、7人が死亡した。ウクライナ軍は同日、ハリコフ周辺で露戦闘爆撃機スホイ34を撃墜したと発表した。(ワシントン 大内清、ロンドン 板東和正、パリ 三井美奈)

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