避難民に就労面などで柔軟支援 「難民」認定なくても

政府専用機で5日に20人が入国するなど、ウクライナ避難民の受け入れが本格化している。政府は人道上の配慮から「避難民」として日本での在留を認めているが、国際条約に基づいた「難民」ではなく、法律上の規定はない。自治体や企業と連携し、難民とは別枠で教育や職業訓練などの支援策を打ち出している。

社会保障や就労面で日本人とほぼ同等に扱われる「難民」として認定されるには、「人種、宗教、国籍などを理由に迫害を受ける恐れがある」などの難民条約の定義を満たす必要がある。今回のように紛争から逃れてきたという理由だけでは、難民に認定されない可能性が高い。

政府はこうした背景も念頭に、避難民として特例的な対応で受け入れ、社会保障面などで手厚い支援を行う方針だ。

在留期間も柔軟に対応する。出入国在留管理庁によると、5日に入国した20人は90日の「短期滞在」の在留資格で入国。これまでに受け入れた避難民も同様だが、いずれも本人が希望すれば就労することが可能となる「特定活動」(1年)への変更を認める方針。

入管庁幹部は「1年が過ぎた際の期間延長も柔軟に対応する」と話す。

さらに、親族や知人が日本国内にいない避難民のため、政府は民間のホテルを確保した。入国後に行き先がなくても一時滞在先として利用でき、その間は食事の提供も受けられる。一定額の医療費や生活費も支給され、一時滞在中に、支援が可能な自治体や企業、団体への引き継ぎを図る。

長期の避難を見据えた場合、重要な支援の1つが日本語教育で、政府は難民の定住支援を行ってきた財団法人と連携する方針だ。

各自治体も支援態勢を拡充させ、東京都は避難民の受け入れ用に都営住宅100戸を用意した。すでに1組2人が入居し、待機している避難民もいる。担当者は「身寄りのない人でも、要請があれば原則として受け入れたい」としている。

神奈川県の黒岩祐治知事は5日に来日した20人のうち「2人は神奈川県内に身寄りがある」と述べ、県内で受け入れる見通しになっていると明らかにした。

一方、ソフトバンクは5日、20人のうち19人に無償でスマートフォンを貸し出したと発表。料金を気にすることなく、国際電話を含む通話やインターネットを利用できる環境を提供するという。

会員限定記事会員サービス詳細