鳥インフル拡大の北海道 防衛体制の再徹底呼びかけ

防疫体制の再徹底などを確認した道海外悪性伝染病警戒本部幹事会=5日午前10時8分、北海道庁(坂本隆浩撮影)
防疫体制の再徹底などを確認した道海外悪性伝染病警戒本部幹事会=5日午前10時8分、北海道庁(坂本隆浩撮影)

北海道で高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した野鳥の発見が相次いでいることを受け、道などでつくる北海道海外悪性伝染病警戒本部幹事会の会合が5日、北海道庁で開かれ、防疫体制の再徹底とともに家きん農場で発生した場合の対応などについて情報を共有した。

道によると、国内で確認された今季の高病原性鳥インフルエンザウイルスは4月5日時点で64例。このうち北海道はハシブトガラスやオジロワシなどから過去最多となる30例が見つかっている。

また、3月29日に札幌市内で見つかったハシブトガラスの回収地点付近で、北海道大学が発見し、独自に検査を進めていたキタキツネ1頭からも致死率の高い高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出されたことが判明している。道などによると、哺乳類から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されるのは国内で初めて。

北海道は2月15日に、道内で100羽以上を飼育する家きん農場194カ所に消毒などを目的とした石灰散布などの緊急消毒命令を出しているが、その後も感染確認が相次いでいることや、融雪期を迎えて小動物の活動範囲が広がり、感染リスクが高まることを指摘。「雪解け後の鶏舎周囲への石灰塗布と野生動物の侵入防止対策の再徹底」などを呼び掛けている。

道内194農場についてはモニタリング調査を通じて問題ないことを確認しているが、担当者は「今は家きん農場で発生させないことが最優先だが、会議では万が一、発生した場合の適切な対応方針も確認した。今季は渡り鳥シーズンが終わる5月ごろまで気の抜けない状況が続く。それぞれの立場で発生予防に努めてほしい」と呼びかけている。

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