「物語の普遍性響いた」 「ドライブ・マイ・カー」濱口監督らが凱旋会見

映画「ドライブ・マイ・カー」が米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。記念撮影に応じる(左から)濱口竜介監督、主演の西島秀俊=5日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
映画「ドライブ・マイ・カー」が米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。記念撮影に応じる(左から)濱口竜介監督、主演の西島秀俊=5日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

米映画界最高の栄誉とされる第94回アカデミー賞の国際長編映画賞に選ばれた「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督、主演俳優の西島秀俊さんらが5日、東京都内で受賞後初めての記者会見を開いた。濱口監督は今回の快挙について、「物語の普遍性が、見る人の感情と響き合ったのではないか」と分析した。

濃紺のシャツに黒っぽいジャケットを着た濱口監督は、アカデミー賞のトロフィーである金色のオスカー像を手に登壇。「こういう場をもうけていただき、ありがたいことだと思います」とあいさつした。

映画は、村上春樹さんの短編小説を原作に、妻を亡くし喪失感を抱える主人公が、自身の悲しみを見つめ直す姿を描く。

アカデミー賞受賞をはじめ、海外で支持される理由を問われると濱口監督は「私自身が驚き、分かっていない」と明かした。その上で、「希望が見える物語となることを心掛けた」と話し、「喪失とそれをどう受け入れていくかという物語の普遍性を俳優たちの力で画面に定着してもらえ、見る人の感情と響き合ったのではないか」と分析した。

西島さんも、「ニュースを見ると、世界で多くの人が愛する人を失い、喪失感を抱いている。この映画は、そんな人たちの希望の道筋が描かれているから共感を呼んだのでは」と話した。

淡々とした口調だが、手ぶりを加えて熱心に語る濱口監督。受賞を機に米ハリウッドから監督の依頼が来たらどうするかと問われると、「脚本を読んで響き合うものがあれば、足を地面にしっかりつけてやれる題材があれば」と意欲を示した。

一方で、米国滞在中に、「世界の目はアジア映画全体に向いてはいるが、日本映画が注目されているわけでもない」と実感したという。

そのうえで、「ハリウッドは、けた外れの世界だが、映画監督が個人的な喜びや、人生の傷を映画に昇華させている点は同じ。自分も前より、さらに良い映画を作っていきたい」と語った。

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