読者からの声を基に、評論家の石平さんに中国に関する質問をぶつけます。第1回のテーマは3月に開かれた「全国人民代表大会(全人代)」。中国の立法府である全人代の本質と、今年の注目点について聞きました。
--日本の報道では全人代が「国会に相当する」と紹介されることもありますが、民主主義国の国会との最大の違いはなんでしょうか
全人代はあくまで中国共産党の指導下にある国家機関です。全人代トップの栗戦書・常務委員長は習近平国家主席(党総書記)からみれば部下。栗氏の党内序列は3番目ですからね。
そもそも全人代の代表は民主主義の選挙で選ばれたわけでは全くない。
国有企業の優秀な技術者だった私の叔母は生前、全人代の代表を2期10年務めました。彼女によると、市の共産党委員会から突然、「あなたが全人代代表になりました」と電話があったそうです(笑)。本人がびっくり仰天です。でも従うしかないですからね。