高市氏問われる調整手腕、茂木氏と確執 参院選公約づくり着手

自民党の全国政務調査会長会議であいさつする高市早苗政調会長=4日午後、東京・永田町の自民党本部(矢島康弘撮影)
自民党の全国政務調査会長会議であいさつする高市早苗政調会長=4日午後、東京・永田町の自民党本部(矢島康弘撮影)

自民党は4日、地方組織の政策担当者を集めた全国政調会長会議を党本部で開き、夏の参院選の公約づくりに着手した。新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻に伴う物価高に対し、党が結束し、国民の負担軽減につながる具体策を打ち出せるかが焦点となる。重要政策をめぐり、党執行部内のきしみが目立つ中、政策責任者である高市早苗政調会長の調整力が問われそうだ。

「参院選は政治の安定のためにも絶対に落とせない選挙だ。知恵を結集していい公約を作っていきたい」

高市氏は会議の冒頭でこう述べた。岸田文雄首相(党総裁)も出席し、「高市氏を中心に全国の声をしっかり集め、国民に納得していただけるような公約を作っていただければ」と訴えた。

公約づくりは政調会長の重要な任務となる。高市氏は昨年の衆院選公約で、敵基地攻撃能力の保有や経済安全保障など「高市カラー」を随所にちりばめた。

4日の会合でも「エネルギー安全保障、食料安全保障などの困難な課題に取り組み、日本の防衛力の強化にも努めなければいけない」と意欲を示した。地方組織からは「防衛予算を増やしてほしい」など外交・安全保障政策に関する意見が最も多く、政策に精通する高市氏への期待は高い。

ただ、公約づくりが円滑に進むか懸念もある。衆院選の公約で盛り込まれた安全保障政策に関し、官邸側との事前調整が足りず、「高市氏1人で抱えすぎだ」(政府関係者)と反発を招いた。

衆院選後も首相、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長の3人が定期的に会談し、高市氏を重要政策の決定から外す動きが目立つ。ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除をめぐる自民と公明党、国民民主党との協議や、年金生活者への5千円給付案は茂木氏が調整を担った。

こうした「高市外し」の背景には、高市氏と茂木氏の確執があるといわれる。党ベテランは「2人は政治的ライバルで、表も裏も握ることはない。主導権争いだ」と話す。茂木氏は政調会長や経済再生相、外相を歴任しており、政策に詳しい点は高市氏と共通する。

ただ、足下では関係改善に向けた動きもある。3月30日、茂木氏は高市氏ら党四役との「お茶会」を幹事長室で初めて開催した。高市氏が公約づくりを通して党幹部と信頼関係を築くことができるかは、「ポスト岸田」に向けた課題でもある。(広池慶一)

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