新型コロナウイルス対応の不手際が響き、今年10月の大統領選での再選に〝黄信号〟がともるブラジルのボルソナロ大統領に、新たな疑惑が持ち上がっている。ボルソナロ氏はウクライナ情勢が緊迫した2月中旬、米国などの懸念を顧みずにロシア訪問を強行しプーチン露大統領と会談した。表向きの理由はロシアからの肥料輸入拡大の交渉とされたが、劣勢が伝えられる大統領選への「介入」の依頼が真の目的だったとの見方も浮上している。
元軍人で右派のボルソナロ氏は、2018年の大統領選で長年政権を担った左派労働党の汚職を批判。既存政治に対する不満の受け皿となって初当選した。
だが、当選後は新型コロナを「ただの風邪」と軽視して有効な手立てを講じず、感染が拡大。ブラジルの感染者数は米国、インドに次ぐ3位となっている。