夏まで続く? 在宅勤務、資源高騰で重荷の電気代

新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が定着した家庭の家計に、エネルギー資源価格の高騰が重くのしかかっている。今冬は液化天然ガス(LNG)や原油などの価格高騰で電気代が値上がりした。春になり電力使用量が減る家庭も多いが、出口の見えないウクライナ情勢と、円安の影響で、冷房代などで再び電気代がかさむ夏までに資源価格が抑えられる見通しは立っていない。

大手電力10社と大手都市ガス4社が発表した5月の家庭向け電気・ガス料金は、4月と比べ全社が値上げ。LNGなどの輸入価格高騰と、電気料金に上乗せする再生可能エネルギー賦課金の上昇を反映したもので、電気料金は比較可能な過去5年間で最高という。

在宅勤務の定着で、家にいる時間が長くなれば光熱費が家計への重荷となる。大阪市内の製造業に勤める会社員男性は「増えた光熱費は仕事でかかる経費。在宅勤務の指示で定期代は支給されないのだから、一部でも負担してもらわないと」と不満げに話す。

LIXIL住宅研究所が令和3年夏に会社員6584人から回答を得た調査でも、在宅勤務で支給してほしい経費のトップは光熱費で58・2%。パナソニックは申請すると通勤定期代の代わりに月3千円を「リモートワーク手当」として支給しているが、こうした企業は一部の大手企業に限られそうだ。

気温が上昇する4月に入り、光熱費は冬場より抑えられる。ただ、冷房代がかかる夏までに資源価格が抑えられる保証はない。石油の主要消費国でつくる国際エネルギー機関(IEA)で石油備蓄の追加放出が合意されたものの、「どれだけ価格に響くか分からない」(都市ガス関係者)。足元で続く円安も光熱費の上振れに影響する。国内エネルギー各社はLNGなどの資源調達を輸入に頼っており、仕入れ値の上昇につながるからだ。三菱UFJ銀行の土屋祐真シニアエコノミストもLNGなど資源輸出大国であるロシアがからむ国際情勢を踏まえ、「資源価格高騰の伸びは鈍化しても、当面は高止まりする」と指摘している。(岡本祐大)

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