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マリウポリから3000人退避 ウクライナ、露本土空爆を否定 停戦交渉進展なし

戦闘で破壊された集合住宅近くを歩く人たち=3月31日、ウクライナ・マリウポリ(ロイター=共同)
戦闘で破壊された集合住宅近くを歩く人たち=3月31日、ウクライナ・マリウポリ(ロイター=共同)

ロシアによるウクライナ侵攻で、激戦が続く東部マリウポリで1日、民間人を退避させる「人道回廊」が設置され、ウクライナ政府によると、市民約3000人が退避した。露西部ベルゴロド州の燃料貯蔵施設で同日発生した大規模な火災について、ロシア側はウクライナ軍による空爆を主張したが、ウクライナは否定した。オンライン形式で実施された停戦交渉は具体的進展はなかったもようだ。

マリウポリではなお市民約10万人が水や食料なしで取り残されているが、人道回廊はこれまで露軍の妨害などで十分には機能してこなかった。この日も退避に成功したのは約3000人にとどまった上、ウクライナメディアによると、退避の安全を確保しようとした赤十字国際委員会(ICRC)の支援団は現地に到着できなかった。マリウポリでは2日も人道回廊が設置される予定で、ICRCは再度、現地に向かうという。

ウクライナ国境に近い露西部ベルゴロド州では1日朝、燃料貯蔵施設で火災が発生。ロシア側は「ウクライナ軍が空爆した」と主張した。ウクライナ側は当初、否定も肯定もしないとの立場を示したが、その後、国家安全保障防衛会議のダニロフ書記が「事実ではない」と否定した。ロイター通信が伝えた。

停戦交渉はこの日、オンライン形式で継続されたが、双方は具体的進展を報告していない。ただ、先月29日のトルコでの停戦交渉の合意に基づき、一部の捕虜交換が行われ、ウクライナ側の発表によると、86人の捕虜が返還された。

また、ウクライナ軍参謀本部は1日、露軍が後退した首都キーウ(キエフ)やチェルニヒウ周辺など北部で28の集落を奪還したと発表。一方、東部では露軍による激しい砲撃や空爆が続いているとした。

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