経済安保を強化、重要物資確保へ 経産省の対策本部

戦略物資やエネルギーの安定的な確保を検討する会合に出席した萩生田経産相=31日午前、経産省
戦略物資やエネルギーの安定的な確保を検討する会合に出席した萩生田経産相=31日午前、経産省

ロシアによるウクライナ侵攻で、資源を海外に依存する日本が経済安全保障の強化を前倒しする必要性は一段と強まった。31日に経済産業省が立ち上げた「戦略物資・エネルギーサプライチェーン対策本部」では、エネルギーや製造に必要な希少金属など、ロシアへの依存度が高い7品目のサプライチェーン(供給網)強化に取り組むことが決まったが、他の重要物資の安定確保に向けた対策も急がれる。

「ロシアから(重要物資の調達を)引き揚げようという大きなマインドは(各国とも)一緒だが、では代替国となると限られ、間違いなく取り合いになる」

会議で萩生田光一経済産業相は、こう強調した。今回、対象品目に指定した希少金属のパラジウムの場合、日本は実に輸入の43%をロシア産に依存している。萩生田氏は、他国もロシアから南アフリカに調達先を切り替えようとしていることを挙げ「今まで通りの安定的な確保は非常に不透明だ」と懸念を示した。

米国と中国の覇権争いに加え、新型コロナウイルス流行では、医療品など重要物資の供給網の弱さが露呈し、その強化の必要性が急浮上した。そこに、ウクライナへ侵攻したロシアへの経済制裁と、ロシアから報復懸念が加わった。

特に日本は、中東などと比べて距離が近いロシアからのエネルギー輸入を増やして調達先を分散させ、供給網の安定化を進めてきた経緯もある。

先週の首都圏での電力需給逼迫(ひっぱく)でも、エネルギーを中心とした日本の経済安全保障の脆弱(ぜいじゃく)さが露呈した。ロシアを代替する調達先からの各国との資源争奪戦は厳しさを増している。原発の再稼働を含めた総合的な戦略が求められる中で対応を誤れば、日本経済の浮上はさらに難しくなる。(那須慎一)

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