ポトマック通信

学校と祝祭

娘が通う中学校から毎週、校内行事などのお知らせメールが届くのだが、その時々で、さまざまな宗教や文化圏の祝祭に関するメッセージが盛り込まれている。たとえば最近のものだと、今年は4月初めから始まるイスラム教の「ラマダン(断食月)」を祝い、断食や礼拝を行う生徒には特別な場所を用意してあると知らせる内容だった。

2月初めのメールは「旧正月」を祝うものだった。アジアの風習であるとの解説に加え、「丑(うし)から寅(とら)に年が変わりました」という干支の説明がついていた。年末ごろには、紀元前2世紀の戦いに由来するユダヤ教の「ハヌカ」を祝うメールが来た。多国籍都市ワシントンの近郊にある学校だけに、多様な背景を持つ生徒たちへの配慮が伝わってくる。

気になるのは「クリスマス」を祝うメールは来なかったこと。私のような非キリスト教徒も含めて、多くの人が楽しみにしているのは間違いないのに。

米国ではリベラル派を中心に、他宗教の信者に「メリークリスマス」と言うのは攻撃的と受け取られかねないので「政治的に正しくない」との考え方がある。保守派は反発し、しばしば政治的な論争にもなる。そんな対立の一端も含めて、学校からの短いメールを味わい深く感じている。

(大内清)

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