露国防省「キエフ方面はおとり」 米国の「失敗」分析を否定

ロシア国防省は30日、ウクライナの首都キエフ周辺など北部に展開していた部隊について、「作戦の主要方面」である東部にウクライナ軍を集結させないための〝おとり〟であり、目的を達成したため「再編成」を開始したと主張した。「露軍はキエフ陥落に失敗した」とする米国防総省の分析を否定した形。

露国防省は「作戦の第一段階で計画されたのは、敵戦力をキエフなど大都市に釘付けにし、主要方面の東部に移動させないことだった。目的は達成された」と主張。キエフへの突入は当初から予定しておらず、米国などが発表した露部隊の後退は「計画された再編成」だとも説明した。

ウクライナ北部をめぐっては、29日の停戦交渉後、フォミン露国防次官が「軍事行動の大幅な削減」を発表。その際は「交渉の進展を促すための信頼醸成措置だ」と説明していた。

また、ショイグ露国防相は同日、「主要目標は東部の解放であり、ほぼ達成された」とも発言。露軍は損害の拡大により、当初の目標としたキエフ制圧を断念したとの観測も出ていた。

ウクライナ北部に展開した露軍部隊について、米英の国防当局は従来、「補給不足やウクライナ軍の抵抗で進軍が停止し、一部では後退している」と分析。29日には米国防総省のカービー報道官が、ロシアはキエフを制圧してウクライナを支配下に置くとの目標の達成に失敗した-との見解を表明していた。


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