経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団は30日、浙江省杭州市で建設中のプロジェクトを地元企業に約36億元(約700億円)で売却すると発表した。別の地域での住宅建設も既に手放しており、資金繰り改善に向け事業売却が進んだ。ただ、香港市場での株取引は30日も停止したままで、経営の混乱が続いている。
売却の対象は商業施設などを含む開発エリア「水晶城」の土地使用権と、建物の所有権。売却益は水晶城の建設費返済や、グループの運営資金に充てる。
恒大と子会社は、2021年12月期の監査が期限に間に合わず、決算発表を延期した。これに伴い香港株式市場での株取引が今月21日から停止となっている。不動産管理の子会社、恒大物業集団で見つかった財務問題の調査も始まった。(共同)