人種差別で禁錮30年 米「反リンチ法」が成立

バイデン米大統領=28日、ワシントン(ロイター=共同)
バイデン米大統領=28日、ワシントン(ロイター=共同)

バイデン米大統領は29日、人種差別に基づくリンチを連邦法の憎悪犯罪とする反リンチ法案に署名、同法は成立した。リンチで相手を死傷させた場合、最高で禁錮30年の刑に処せられる。人種差別が合法だった時代もあった米国で長年、保守派の抵抗などで廃案となってきたが、黒人に対する暴力事件の続発で機運が高まり、1世紀以上たって成立にこぎ着けた。

「無実の男女や子どもが首を絞められ、焼かれた。黒人というだけで、投票や学校に行こうとするのが罪とされた」。バイデン氏は29日、ホワイトハウスの庭園で開いた署名式で、黒人に対するリンチの歴史を振り返った。

米国では「リンチ」という言葉から、法の枠を超えて証拠も裁判もなく黒人を殺害したり、つるしたりした負の歴史を想起する人が多い。米メディアによると、1882~1968年には4000人以上がリンチを受け、加害者の99%が刑罰を逃れた。(共同)

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