農業施設の豪雨対策を迅速に 改正土地改良法が参院で可決、成立

平成30年7月豪雨で冠水した町=岡山県倉敷市真備町(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)
平成30年7月豪雨で冠水した町=岡山県倉敷市真備町(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)

ため池や用水路などの農業用水利施設の豪雨対策を迅速にできるようにする改正土地改良法が30日、参院本会議で可決、成立した。農家や土地所有者の同意と費用負担なしに国や自治体が施設を整備することを可能にし、豪雨や台風災害による農業や周辺住民への被害を抑える狙い。令和4年4月に施行する。

現行の土地改良法では地震対策のみ、同意や費用負担なく施設を整備できる。ただ平成30年の西日本豪雨では広島県などで多くのため池が決壊するなど水害が年々深刻化しており、ため池の堤防を補強するといった豪雨対策を対象に加える。

農林水産省は防災工事や廃止などの対応が必要なため池を全国で1万カ所と見積もっている。同意を不要にして整備期間の短縮を図る。

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