【ソウル=時吉達也】韓国国防省は30日、国防科学研究所が韓国独自の技術で開発した固体燃料ロケットの打ち上げ実験を初めて実施し、成功したと発表した。発表は、北朝鮮による24日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に言及。「大変厳しい時期」に発射実験に成功したと意義を強調し、北朝鮮に対抗する国防力の強化を誇示した。
固体燃料は液体燃料に比べ迅速な発射が可能で、ロケットを弾道ミサイルとして軍事転用する際にも効果的となる。打ち上げは徐旭(ソ・ウク)国防相や韓国軍幹部の立ち会いの下で実施された。
ミサイル開発を制限してきた米韓の指針が昨年5月に解除されたことを受け、韓国は固体燃料ロケットの開発を開始。今後は技術的検証をさらに進め、2024年ごろに偵察衛星を搭載して打ち上げるとしている。
韓国は「宇宙強国」入りに向けた開発事業を加速させており、昨年10月には液体燃料の国産ロケット「ヌリ号」を初めて打ち上げた。切り離した衛星を正常に軌道に乗せることに失敗し、6月に次回の打ち上げを予定している。