ウクライナ侵攻に批判的なロシアの有識者や著名人らの間で、国を去る動きが顕著になっている。プーチン政権が言論への弾圧を強めるなか、侵攻への反対の表明と引き換えに、「出国は不可避」との判断をしたためとみられる。ボリショイ・バレエ団のプリマら、女性の著名人の出国が目立つが、多くの市民が国を後にしている実態も浮かび上がっている。
「もう帰国は安全ではないと理解している。私は裏切り者ではない。祖国を愛している」
2003年公開の映画「グッバイ、レーニン!」や、昨年のカンヌ国際映画祭に出品された「インフル病みのペトロフ家」に出演したロシア人女優、チュルパン・ハマートワさんは20日、ユーチューブに投稿されたインタビューでそう語り、事実上の亡命を表明した。ハマートワさんは侵攻開始時、休暇でラトビアに滞在しており、帰国しない決意を固めたという。