自民・森山氏、砂防協会会長に 非主流派も存在感

全国治水砂防協会の新会長に就任した自民党の森山裕総務会長代行(手前)=30日午後、東京・平河町の砂防会館
全国治水砂防協会の新会長に就任した自民党の森山裕総務会長代行(手前)=30日午後、東京・平河町の砂防会館

自民党の森山裕総務会長代行が30日、全国の約1400の市町村が会員となって構成する「全国治水砂防協会」の新会長に就任した。同協会は自民党の派閥や議員の事務所が割拠し「権力の館」の異名をとった「砂防会館」(東京・平河町)を運営し、田中角栄元首相ら大物政治家が歴代会長を務めたことでも知られる。昨秋の党総裁選後、非主流派となった森山氏だが、党運営のあり方に一石を投じるなど、じわりと存在感を高めている。

森山氏は30日の砂防協会の理事会で9代目の会長に選ばれた。森山氏は理事会後、記者団に「治水治山は国の基本的なインフラで、考えられないような災害が起きている傾向もある。しっかり予算を確保していくことが引き続き大事なことだろうと思う」と語った。

国土の保全と土砂災害の防止などを目的とする砂防協会は昭和10年に発足。歴代会長には河野一郎元農相らが名を連ねるが、第4代の田中氏以降は半ば、自民党旧田中派の流れをくむ派閥(現在は平成研究会=茂木派)の有力議員の指定席のようになってきた。

昨年12月から森山派(近未来政治研究会、7人)を率いる森山氏は、平成17年に郵政民営化関連法に反対して一時期自民党を離れる(18年に復党)前まで、平成研究会(当時は橋本派)に所属していた。その意味では協会会長の系譜に属するといえる。

森山氏は、昨秋まで歴代最長となる約4年にわたって自民党の国対委員長を務め、国会運営で野党との交渉・調整に手腕を発揮したが、河野太郎広報本部長を支援した党総裁選の後、二階俊博元幹事長らとともに非主流派に転じた。

昨年11月には全会一致を原則とする総務会の〝重し役〟として総務会長代行に起用されたが、岸田文雄政権とは距離を置く菅義偉前首相や二階氏と会食するなど、政局をにらんだ動きも見せている。

最近では、茂木敏充幹事長らが、年金生活者に5千円の臨時給付金を支給する案を、党内の議論を経ずに政府に提案したことを問題視し、「党内議論をしっかりやるのが自民党のいい伝統だ」と苦言を呈したり、ウクライナ危機で重要度が増す食料安全保障に関する党委員会を主導したりするなど一定の存在感を示し、影響力を残している。記者団に歴代会長を大物政治家が務めてきたことを問われた森山氏はこう語った。

「私からすると仰ぎ見る先輩方なので…。しっかり真摯(しんし)に取り組みたい」

(原川貴郎、写真も)

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