自民党の高市早苗政調会長は29日、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い受給額が減る年金生活者らに1人当たり5千円を臨時に給付する案を撤回する考えを示した。財源として今年度の予備費をあてる方針だったが、「反対の声も多く、事務的にも間に合わなくなったので、この話はなくなった」と述べた。党本部で記者団に語った。
高市氏は、岸田文雄首相が同日指示した緊急経済対策に生活困窮者のセーフティーネット強化が含まれていることを踏まえ、「年金で暮らしている方をセーフティーネットの対象に加えるかどうかはゼロベースで話し合っていく」と述べ、30日から党内議論を始める方針を示した。
臨時給付金をめぐっては、自民の茂木敏充、公明党の石井啓一両幹事長とともに高市氏も首相に申し入れを行った。ただ、夏の参院選に向けたばらまき政策との批判があり、政府・与党内で消極的な意見が目立っていた。