首相、松野氏をワクチン担当兼務に 官邸主導で推進

会見する松野博一官房長官=29日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見する松野博一官房長官=29日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は29日、新型コロナウイルスのワクチン担当相を松野博一官房長官に兼務させることを正式に決めた。松野氏が同日の記者会見で明らかにした。現在の堀内詔子ワクチン担当相は31日で退任する。オミクロン株の派生型「BA・2」が広がりつつある中、松野氏を中心に「官邸主導」でワクチン接種を加速させる意向だ。

「(ワクチン接種は)岸田内閣の最優先課題の一つであり、大変、身が引き締まる思いだ」

松野氏は29日の記者会見でワクチン接種を着実に進めていく考えを強調した。

ワクチン担当相が堀内氏から松野氏に交代するのは、堀内氏が兼務する五輪相が期間限定の増枠で、3月末が期限となっているためだ。五輪相は末松信介文部科学相が兼務する。

ワクチンの3回目接種は当初、副反応などへの懸念から接種率が伸び悩み、首相も国会で批判を浴びた。堀内氏の後任には後藤茂之厚生労働相らも浮上していたが、首相はワクチン接種の遅れは政権運営の「急所」にもなり得ることを踏まえ、内閣の要となる松野氏に託すことで、政権を挙げて今後も取り組むことを示した形だ。松野氏が陣頭指揮をとることで省庁横断で接種を進める狙いもあるとみられる。

ただ、松野氏は北朝鮮による日本人拉致問題に加え、ウクライナからの避難民受け入れや原油高騰対策なども抱えており、職務を全うできるか不安視する声もある。ワクチン接種が再び停滞すれば、官邸への直接の批判にもつながりかねず、松野氏の手腕が問われることになる。(永原慎吾)

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