残留盛り土、熱海市が撤去を行政指導へ 旧所有者に

「盛り土が土石流の原因となったことは確実」と述べた難波喬司副知事(左)=29日、県庁(田中万紀撮影)
「盛り土が土石流の原因となったことは確実」と述べた難波喬司副知事(左)=29日、県庁(田中万紀撮影)

静岡県熱海市で昨年7月発生した大規模土石流の起点で崩れ残っている盛り土に関し、市は29日、旧土地所有者に対し、近く撤去などの行政指導を行う方針を明らかにした。平成19年に市に造成を届け出ていた旧所有者に、排水工事と、崩れ残っている土砂約2万立方メートルを除去する防災工事を行うよう求める。

土石流後も残る盛り土に関して県側が安全性を検証したところ「降雨の状況によっては崩壊する」と結論付けられた。このため県は、土砂の中に水がたまることを防ぐ排水工事と土砂撤去が必要だとして、現行条例で事業者を指導する権限を持つ市と協議。市は行政指導を行う方針を固めた。

旧所有者が従わない場合は措置命令を検討する。それでも工事が行われなければ、県や市が必要な工事をした後に旧所有者に費用弁済を求める、行政代執行が視野に入ることになる。

ただ県と市は、旧所有者が指導に従って工事を行うとしても今年の梅雨や台風シーズンに間に合わない可能性が高いとみているほか、台風時期の工事は危険なため、実際の着工は早くても10月と見込んでいる。

県の難波喬司副知事は、梅雨や台風による豪雨でさらに崩れるリスクについて「全否定はできないが、仮に一部が崩落しても下流域の市街地の災害は防止できる」としている。

盛り土規制に関しては、事業者への指導権限を県に一元化する新条例が7月1日施行される。このため、旧所有者が6月までに市の指導や命令に従わなかった場合は県が対応を引き継ぐことになる。

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