ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は27日、東部ハリコフ州やスムイ州で反攻作戦が進んでいると表明した。ハリコフ州知事も同日、複数の拠点を奪還したと発表。一方、東部を実効支配する親露派武装勢力トップは27日、ロシアへの編入の是非を問う住民投票を近く行う意向を明らかにしたが、ロシア側は慎重な姿勢を示した。
アレストビッチ氏は27日、「ハリコフやスムイで反攻作戦が進んでいる」と表明。南部ヘルソンでも反攻を準備しているとした。同氏によると、ヘルソンでの反攻に成功すれば、露軍は東部マリウポリに戦力を集中できなくなり、マリウポリ救援につながる。
ハリコフ州のシネグボフ知事も同日、ハリコフ西方オリホフカなど複数の都市や集落を奪還したと発表。「露軍は国境に向かって敗走している」とした。
一方、ロシアが「独立」を承認した親露派勢力「ルガンスク人民共和国」(自称)のパセチニク首長は27日、近く露編入の是非を問う住民投票を行う考えを表明した。しかし、旧ソ連圏問題を担当する露下院委員会のカラシニコフ委員長はタス通信に「適切な時期ではない」と指摘。パセチニク氏はその後、「個人的見解だった」と釈明した。
ただ、ロシアは2014年、「住民投票による民意」だとして南部クリミア半島を一方的に併合した経緯があり、将来的に東部でも同様の手法を取る可能性は残っている。