【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領が28日、大統領府で夕食を共にしながら会談した。両氏の会談は9日の大統領選で尹氏が当選後初めて。尹氏が優先する大統領執務室の移転問題や、政府の人事で現政権との対立が表面化していたが、両氏の間で一定の歩み寄りがみられたもようだ。
尹氏が目指す国防省庁舎への執務室の即時移転に関し、文政権は当初、難色を示していた。尹氏側の同席者によると、文氏は会談で、移転先を決めるのは次期政権の役目で、予算について「綿密に調べて協力したい」と述べたという。
会談はもともと16日に予定されていたが、実務者間の事前協議がまとまらず、先送りされた。当選後の現・次期大統領の初顔合わせとしては歴代大統領と比べて大幅に遅く、対立の長期化が懸念されていた。