米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」。濱口竜介監督(43)が手掛けた作品や脚本は、これまでにカンヌやベルリンなどの世界三大映画祭全てで受賞に絡んでおり、今回の快挙で世界の注目度はさらに高まった。
作品では、移動する車内での会話が、重要な場面として度々登場する。濱口監督は本紙のインタビューで、「車という閉鎖空間の中で、最初は抑制された人間性が、だんだんと開かれていくことが(村上春樹の)原作には描かれていた。それはこの映画の一つの核心部分だと思う」と話していた。
また作品は、主人公が最愛の妻を亡くした喪失感からの再生を描いており、監督は多くの命が失われたコロナ禍の中で共感する人が多かったのではないかと分析している。