同僚から暴行を受けた後、学校側から問題を隠蔽され鬱病になったとして、宮城県大和町の40代男性教諭=休職中=と妻が県や町に計約1億600万円の損害賠償を求めた訴訟は28日、仙台地裁(大寄麻代裁判長)で和解が成立した。町が責任を認め、解決金2860万円を支払う。
和解条項には解決金支払いに加え、学校で職員間の暴力事件などが発生した場合は町が適切に調査し、公務災害申請に関する援助をすることなどが盛り込まれた。
訴状などによると、男性は平成23年、勤務先の中学校の職員室で同僚から胸ぐらをつかまれて揺さぶられ、頸椎(けいつい)を捻挫した。その後、当時の校長や教育長から「表沙汰になると困る」として事件を隠蔽され、鬱病になり、28年に公務災害に認定されたとしている。