京都府亀岡市で平成24年4月23日、集団登校中の児童らに無免許運転の少年が突っ込み10人が死傷した事故から10年となるのを前に27日、亡くなった松村幸姫(ゆきひ)さん=当時(26)=の父、中江美則(よしのり)さん(58)らが現場近くの安詳小学校前に防犯カメラ1台を設置し、悲惨な暴走事故の抑止力となることを願った。カメラは同日から運用が始まり、4月23日に亀岡市に寄贈後、市が管理する。
防犯カメラは「Lumina 幸姫」と名づけられ、道路脇の電柱の高さ約4・5メートルの位置に設置。夜には自動でライトが点灯する仕組みとなっている。
事故当時、少年の運転する車は制限速度(40キロ)を大幅に超えていたとの目撃情報も寄せられたが、付近に防犯カメラはなく、裁判で事故状況を判断する決め手にはならなかった。
事故後、現場の制限速度は30キロに変更されたが、いまも混雑する国道9号を避ける抜け道として交通量が多い一方、小学生の通学路にもなっている。中江さんは「幸姫の目が子供たちを優しく見守り、運転手を厳しく監視してくれる。防犯カメラの少ない郊外にこそ、こうした取り組みを広めていきたい」と語った。
■亀岡暴走事故
平成24年4月23日午前8時ごろ、京都府亀岡市の府道で無免許で居眠り運転していた当時18歳の元少年の車が集団登校の列に突っ込み、女児2人と付き添いの保護者が死亡、7人が重軽傷を負った。遺族らは危険運転致死傷罪の適用を求めたが、元少年は自動車運転過失致死傷罪などで有罪判決を受けた。この事故を機に、無免許運転などの厳罰化が進み、全国的に通学路の安全点検が行われた。