サッカー通信

降格候補…前評判なんとやら 主力大量退団の鳥栖5戦無敗

しかし、鳥栖の両サイドは高い位置をキープしようとする。相手ゴールに近いエリアで積極的にプレスをかけてショートカウンターを狙い、クリアボールの争奪戦でも劣勢にならない。18日の横浜M戦で3バックの右に入った中野伸は、「前からどんどんプレスにいっているところがいい」と手応えを口にする。

横浜Mは両サイドバックも活用した巧みなビルドアップが持ち味で、3トップの両ウイングにスピードのあるアタッカーを配置する攻撃には迫力がある。鳥栖で中盤の両サイドを務める選手が、下がって3バックの両脇のスペースを埋めたくなっても不思議ではない。しかし、横浜M戦で鳥栖の両サイドに入った左の岩崎と右の飯野が最終ラインに吸収されるシーンは少なかった。

自陣を固めずに人数をかけて前からボールを奪いにいくのは、背後に大きなスペースを抱えるリスクを伴う。プレス回避が巧みな横浜Mのようなチームを相手にする場合、高い組織力と勇気が求められる戦い方となる。それを鳥栖は最後までやり切った。

雨が降り続けた横浜M戦はピッチに水が浮く悪条件でボールをろくにつなげなかったのは確かだが、今季初勝利を挙げた13日の浦和戦も中盤の両サイドは高い位置を維持していた。開幕からこれまでは3バックの悪循環に陥ることなく5試合で計2失点と守備は機能しているだけに、課題は3得点しか奪えていない攻撃面となる。

24歳の垣田と21歳の宮代は昨季、J1だった徳島でそれぞれ8得点、7得点と点取り屋の才能を開花させつつある。20歳の西川は年代別日本代表経験もあって将来性は高く、3年ぶりに復帰した小野は欧州でもプレーしたアタッカーだ。失った主力の穴を埋める可能性を秘めたタレントは擁しており、ボール奪取からゴールへ迫る道筋を見いだせればJ1残留がみえてくる。(運動部 奥山次郎)

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