「第94回米アカデミー賞」で邦画初となる最高賞の作品賞をはじめ、監督賞など4部門にノミネートされている濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」。授賞式(日本時間28日)が近づき、ロケ地広島でも期待が高まっている。作品では美しい広島が映し出されただけでなく、再生する男性の物語の中に、被爆地・広島の歴史がそっと重ね合わされた。ロシア軍によるウクライナ侵攻が続く中、映画は大切なことを問いかけてくる。
快挙とともに拡大上映
村上春樹氏の短編小説が原作の「ドライブ・マイ・カー」。カンヌ国際映画祭で邦画初の脚本賞を含む4冠受賞をはじめ、ゴールデングローブ賞非英語映画賞(旧外国語映画賞)や全米映画批評家協会賞ではアジア初の主演男優賞を含む主要4部門での受賞など、世界中の賞レースで次々と快挙を成し遂げ、勢いは増すばかりだ。
日本では昨年8月20日に全国115館で封切りされた。配給する「ビターズ・エンド」によると、アカデミー賞ノミネート発表前には上映館数101館と減少したが、発表後の2月13日には213館に倍増。3月13日時点での上映館数は276館に膨れ、異例のロングランとなっている。
昨年7月に広島フィルム・コミッション(FC)が公開したデジタルロケ地マップは、3月11日時点で60万ビューを突破。昨年10月頃には7万ビューをやっと超える程度だったが、今年1月のゴールデングローブ賞の発表からアクセス数が急激に増加したという。