大量の商品を注文し、受領後に代金を支払わずに行方をくらます取り込み詐欺「パクリ屋」という手口がある。今年1月、卸売会社をかたり、カニなどを大量にだまし取ったとして、「パクリ屋のドン」と呼ばれる男が警視庁に逮捕された。被害は全国16都道府県の23社、総額約8千万円に上るとみられる。物流の仕組みを熟知し、転売先の人脈を構築した上で、新型コロナウイルス禍で在庫がだぶつく食品会社を狙って犯行を繰り返していた。
「親方」の呼称も
仲間内では「親方」や「会長」とも呼ばれた「パクリ屋のドン」の正体は東京都台東区の無職、武藤勝被告(82)。