自衛隊グルメ探訪

陸上自衛隊の野外炊事競技会

静岡県御殿場市の板妻に駐屯する陸上自衛隊第34普通科連隊は、主に南伊豆を除く静岡県全域の防衛、ならびに災害派遣に対処する部隊である。2021(令和3)年7月には熱海市の伊豆山土砂災害の救助活動に派遣されているのも記憶に新しい。また普通科とは軍隊における歩兵に相当する職種で、小銃や支援火器などの装備を持ち、任務に従事する。

真剣に競技会に挑む隊員たち。調理の際は戦闘服、戦闘靴、サスペンダーに鉄帽を被り、マスクも迷彩柄という実戦と同様のいでたちである(2010年1月10日撮影)
真剣に競技会に挑む隊員たち。調理の際は戦闘服、戦闘靴、サスペンダーに鉄帽を被り、マスクも迷彩柄という実戦と同様のいでたちである(2010年1月10日撮影)

雪がまだ残っている2月、御殿場市に所在する東富士演習場にて野外炊事競技会が行なわれた。

競技会の内容は隊員の炊事能力および指揮能力、そして戦闘状況下での炊事を競うものである。参加するのは同部隊より選抜の6チーム、各1チームで5人が調理、そして2人が予備で周囲の警戒にあたる。調理するメニューはカレーライスおよび副食で、50食分作る(参加チーム6組合計約300食調理)という内容である。

審査内容は実施前の競技地域における危険物の排除から調理実施中の包丁の取り扱いや炊事車の火気、消火器の位置など、厳しくかつ多岐にわたって実施され、かなりリアルに設定してある。そのため、調理にのぞむ彼らの表情はまさに真剣そのもので、時間も厳守なため野菜や肉のさばき方はスピーディであった。

ちなみに演習は午前6時30分から状況開始で、午前11時30分に終了、正午~午後1時に審査した後、撤収となった。

野外炊事で一番難しいのは何かというと、主食のご飯を炊くことらしい。確かに失敗すると柔らかくなってしまうか、もしくは固くて食べづらくなってしまうからである。最前線を想定した中での炊事という緊迫した競技会であった。


昼食(競技用)メニュー

カレーライス、野菜サラダ、デザート(フルーツポンチ)

カモフラージュネット(偽装網)で隠された炊事所は、地形を利用して設営する。近づけばすぐわかるが、遠目にはなかなか見つけにくく、森の中なので探すのが大変であった
カモフラージュネット(偽装網)で隠された炊事所は、地形を利用して設営する。近づけばすぐわかるが、遠目にはなかなか見つけにくく、森の中なので探すのが大変であった
陸自隊員の食事に欠かせない装備・野外炊具1号。トラックなどで運搬され、6つの釜でご飯、汁物、煮物などの主食と副食をまかなう。また大規模災害時には被災者に温かい給食を支援する
陸自隊員の食事に欠かせない装備・野外炊具1号。トラックなどで運搬され、6つの釜でご飯、汁物、煮物などの主食と副食をまかなう。また大規模災害時には被災者に温かい給食を支援する
今回調理された昼食。主食はカレーライスで、それ以外にも副食のサラダとデザートも制限時間内に準備される。カレーのご飯はスパイシーなターメリックライス、デザートは大きな白玉が入ったフルーツポンチ
今回調理された昼食。主食はカレーライスで、それ以外にも副食のサラダとデザートも制限時間内に準備される。カレーのご飯はスパイシーなターメリックライス、デザートは大きな白玉が入ったフルーツポンチ
できたてのカレーを飯ごうで食べる隊員たち。冷えた食事では士気に影響してくるので、なによりも温かい食事の支援が必要不可欠と思われる
できたてのカレーを飯ごうで食べる隊員たち。冷えた食事では士気に影響してくるので、なによりも温かい食事の支援が必要不可欠と思われる

雑誌「丸」
昭和23年創刊、平成30年に70周年迎えた日本の代表的軍事雑誌。旧陸海軍の軍 艦、軍用機から各国の最新軍事情報、自衛隊、各種兵器のメカニズムなど幅広 い話題を扱う。発行元の潮書房光人新社は29年から産経新聞グループとなった 。毎月25日発売。

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