新型コロナウイルスのオミクロン株による感染「第6波」はピークを越え、国内の新規感染者数は緩やかながら減少傾向にある。政府は「ウィズコロナ」を見据えた本格的な出口戦略に乗り出すが、次の「第7波」を警戒する声は根強い。岸田文雄政権はコロナで傷んだ社会経済活動の回復にかじを切ったが、感染のリバウンド(再拡大)への懸念は拭い去れておらず、新たな波への備えも待ったなしの状況だ。
18都道府県に適用されていた蔓延(まんえん)防止等重点措置は21日までの期限を延長することなく解除され、22日からは約2カ月半ぶりに重点措置適用地域がゼロとなった。感染のピークは2月上旬に越えたとみられ、首相は16日の記者会見で「第6波の出口ははっきり見えてきた」と指摘した。当面は日常生活の回復に向けた移行期間として最大限の警戒態勢を取る考えも示した。
ただ、17日の基本的対処方針分科会(尾身茂会長)は一筋縄とはいかなかった。出席者から18都道府県の重点措置を解除する政府案に反対意見はなかったものの、2人の医療関係者が解除のタイミングに異議を唱えた。年度末は卒業式や入学式、就職で人の移動や歓送迎会といった交流の場が多い時期だからだ。