ゼレンスキー大統領、各国の歴史に訴え支援説得

【ワルシャワ=三井美奈】ウクライナのゼレンスキー大統領が各国の国会で行うビデオ演説は、それぞれの歴史に言及し、国民の心情に訴えながら支持を求める手法で共通している。

22日にイタリア国会で行った演説で、ゼレンスキー氏は「永遠の都」と称されるローマとキエフを重ね、「偉大な文化の発祥地が、存続の危機にさらされている」と訴えた。イスラエル国会で行った20日の演説では、キエフ出身のイスラエル元首相、ゴルダ・メイアに言及。ロシア軍を第二次大戦中にホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を行ったナチス・ドイツになぞらえ、「あなた方は、ウクライナのユダヤ人の生命を守れる」と防空システムの供与を求めた。

17日のドイツ連邦議会での演説は、「ベルリンの壁」が題材だった。「欧州を分断する新しい壁がある。あなた方は壁の向こうに目を向けていない」と述べ、ロシアとの経済関係を重視してきたドイツに認識の変更を迫った。

米連邦議会では、真珠湾攻撃や2001年の米中枢同時テロの衝撃を、露軍の侵攻に例えた。公民権運動を率いたキング牧師の言葉、「私には夢がある」も引用した。英国議会では、第二次大戦中、英独の空軍が展開した「バトル・オブ・ブリテン(ブリテンの戦い)」時にチャーチル首相(当時)が行った演説を想起させ、国土防衛への思いを語った。

1日に欧州連合(EU)欧州議会で行った演説では、ゼレンスキー氏の語り口に、同時通訳者が声を詰まらせる場面もあった。ただ、イスラエルでは、ホロコーストの例えに不快感を示す議員もいたという。

ここに来て相次ぐ各国国会でのビデオ演説は、先進7カ国(G7)首脳会議など外交日程をにらんだ動きともみられている。

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