渡り鳥はなぜ、長距離を迷うことなく移動できるのか-。こんな疑問の解明に挑んだ同志社大などの研究グループが、渡り鳥の一種「オオミズナギドリ」の脳内に〝コンパス細胞〟があるという手がかりを突き止めた。細胞は頭が北を向いたときにのみ、活発化していた。こうした渡り鳥に関する研究は前例がなく、グループは「渡りのメカニズムを解き明かすきっかけになるかもしれない」。研究成果は米科学誌「Science(サイエンス)」の姉妹誌「サイエンス・アドバンシズ」電子版に掲載された。
親と子で別々に南下
渡り鳥は繁殖や越冬を目的に長距離を移動し、その距離は数千キロに及ぶこともある。研究対象となったオオミズナギドリは、国内では新潟県沖の日本海にある粟(あわ)島などに生息。例年11~12月ごろには越冬のため、太平洋を通過してインドネシアや豪州北部など南に向かうとされている。