【ワシントン=大内清】バイデン米大統領がロシアのプーチン大統領を「戦争犯罪人」と非難したことをめぐり、ロシア外務省が米国のサリバン駐露大使を呼び出したことについて、国務省のプライス報道官は21日、事実関係を認めた上で、同大使がその機会にロシアに対して国際法の順守と露国内で拘束されているすべての米国人への領事官の訪問通信権を認めるよう要求したと明らかにした。
米露をめぐっては今月、米女子プロバスケットボール選手で昨夏の東京オリンピックでも米代表チームの一員として活躍したブリトニー・グライナーさんが、大麻成分入りの電子タバコ用リキッドを所持していたとしてロシアの空港で拘束されたことが判明。米国内では知名度の高いスター選手が「人質」として利用されるとの懸念が強まっていた。
プライス氏は同日の記者会見で、領事官の訪問通信権を拒否されることは「断固として認められない」と強調。露外務省がバイデン氏の発言を「不適切」だとしたことについては、「空爆を含む攻撃で多くの市民の命を奪っている国から聞く言葉としては非常にばかげている」と反論した。