令和4年度予算が成立した22日の参院本会議で、立憲民主党の白真勲氏は「今後も問題点をただし、必要な政策を実現させていく」と強調した。ただ、野党による追及は一体感を欠き、予算審議は参院でも与党ペースで進んだ。逆に国民民主党が予算に賛成したことで、参院選に向けて野党の分断は加速しそうだ。
立民は、参院選で勝敗を分けるとされる32の改選1人区で、従来のように野党候補の一本化を目指している。立民の泉健太代表は18日、共産党、れいわ新選組、社民党の党首と調整に入ることで合意した。
一方で、同じ旧民主党の流れをくみ、「兄弟政党」と呼ぶ国民民主との党首会談は実現しなかった。国民民主は、基本政策が異なる共産を含めた調整に慎重な構えを崩さないためだ。
国民民主が政府提出の4年度予算に賛成した経緯もあり、泉氏は共産との共闘に軸足を移さざるを得なくなっている。しかし、外交安全保障政策が異なる共産との連携は先の衆院選と同様、「選挙目当ての野合」「立憲共産党」との批判を浴びるリスクをはらむ。
これまで、野党で孤立していたのは改憲の必要性などを政府与党と共有してきた日本維新の会だった。ただ、今国会では立民が関係を「白紙にする」(泉氏)と一時は遠ざけた共産や、「トリガー条項」の凍結解除を求めて政府与党との距離を詰める国民民主が孤立する場面がみられ、野党の足並みはますますそろわなくなってきている。
立民幹部は「野党は孤立というカードを押し付け合う『ババ抜き』のようになっている」と嘆いた。(沢田大典)