サッカー通信

なでしこ女王奪還へ 佐々木委員長が決意新た「次につながる戦いできた」

【日本―タイ】後半、チーム6点目、自身のハットトリックとなるゴールを決める菅沢(右)=インド・ナビムンバイ(ロイター)
【日本―タイ】後半、チーム6点目、自身のハットトリックとなるゴールを決める菅沢(右)=インド・ナビムンバイ(ロイター)

サッカーの女子日本代表「なでしこジャパン」の強化責任者である日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長が、女王奪回へ決意を新たにした。なでしこをワールドカップ(W杯)女王へ導いた元監督が、準決勝で散った1~2月のアジア・カップでの敗因に挙げたのは経験と日の丸を背負う覚悟の欠如。主導権を握り続けた試合内容には手応えを得ており、「流れはよかったが、勝ち切るところは勉強」と来年7~8月にオーストラリアとニュージーランドが共催するW杯に向けて巻き返しを誓った。

オンラインで取材に応じる日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長=10日
オンラインで取材に応じる日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長=10日

なでしこはアジア・カップでW杯出場権獲得という最低限のノルマをクリア。全5試合をおおむね優位に進め、10日に取材に応じた佐々木委員長は「チャンスの数やシュートの数では、なでしこが歴然と上回っていた。内容的にはイニシアチブ(主導権)を取っていて、(昨年10月に発足した)池田監督新体制は間違っていない。次につながる戦いはできた」と評価した。

一方、反省したのは勝ち切れなかったことだ。引き分けた1次リーグの韓国戦とPK戦の末に敗れた準決勝の中国戦はともに先制しながら勝利を逃した。中国戦は1-1で突入した延長前半でも勝ち越しながら、延長後半14分に痛恨の失点。佐々木委員長は「試合の状況をみながら戦うところはまだまだ。国と国との戦いという中での粘りが中国や韓国にはあった」と指摘した。

2008年北京五輪の主力をベースに11年W杯ドイツ大会優勝、12年ロンドン五輪と15年W杯カナダ大会準優勝と自身が黄金期を築いたなでしこが、経験や日の丸を背負う覚悟を強みとしていただけにもどかしかったのだろう。出色だったのはW杯ドイツ大会決勝で、絶対女王の米国にリードを2度許しながらも追いついてPK戦の末に世界一になっている。

当時も現在もなでしこの長所は卓越した技術と高い組織力で、短所が高さやスピードといったフィジカルの欠如にあることに変わりはない。佐々木委員長は監督時代、主力を固定することで経験と国を背負う覚悟を植え付けて大輪の花を咲かせた。世代交代が進まずに16年リオデジャネイロ五輪出場を逃すという代償も払ったが、テクニカルな攻撃的サッカーを粘り強い守備が支える魅力的なチームで世界のトップで戦い続けた。

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