強制わいせつなど教職員の不祥事相次ぐ山梨県 25人学級構想に逆風

県教委がホームページで公開している令和2年度の懲戒処分は減給や停職の2件。いずれも同年度中に発生したものではない。

それが3年度は、3月17日時点で懲戒免職3件を含め計6件が公開されている。さらに今後の処分が決定的なものが数件ある状態。逮捕も5件で、異例な状態だ。

県内の教育関係者は「嘆かわしい。一部の教員の不祥事ではあるが、山梨県の教職員全てに対する不信感につながってしまう」と、危機感を漏らす。

ある高校の教員は「盗撮やわいせつなど男性教員による事件が相次いだ。女性校長比率が全国最下位という現実を考えれば、教育の現場で圧倒的な男性優位の体質が、問題の背景にあるかもしれない」と懸念する。

教員の量、質が必要

一連の不祥事は長崎幸太郎知事が強く打ち出す少人数教育拡充の大きな障壁になりかねない。小中学校の1学級当たりの児童生徒の人数は、現行の義務標準法で小1が35人以下、小2から中3までは40人以下と定められている。これに対し、山梨県では全国に先駆け3年度から、小125人学級を導入し、4年度には小2にも広げる。

同制度を検証する県の少人数教育推進検討委員会は、25人学級化で、学習意欲の向上、人間関係の深まり、不登校やいじめ対策にもつながるなど、効用は大きいと報告書でまとめた。同時に、少人数学級の拡大には「教員の確保や教育の質の担保の必要性」が課題と指摘している。

教員の量と質が欠かせないことが明白になっている中で、相次ぐ不祥事は、山梨の公教育への不信感を増大させるだけでなく、教育改革への大きな阻害要因となり、早急に抜本的な対策が必要だ。(平尾孝)

令和3年度の山梨県の教職員の主な不祥事

(発生時期/当事者/内容や処分)

●3年6月/県立高校・30代男性期間採用教諭/同校の女子生徒のスカートの下にスマートフォンを差し向けた。6月に逮捕、懲戒免職

●3年8月/公立中学・20代男性教諭/大会引率のための滞在中の宿泊施設の女性浴場でのぞき。迷惑防止条例違反などで書類送検、11月に停職6カ月

●3年12月/県立高校・50代男性主任業務員/校内に駐車している公用車からガソリンを抜き取り。4年2月に窃盗で逮捕

●4年1月/公立中学校・40代男性教諭/校内に止めた自家用車の中から通行中の女子高生のスカート内を盗撮、1月に逮捕、2月に懲戒免職

●4年1月/公立小学校・20代男性助教諭/児童名簿をSNS上で知り合った相手に売ろうとした。2月に懲戒免職

●4年2月/甲府市立学校・50代男性教諭/同校の児童の体を触るなどのわいせつ行為。3月に強制わいせつで逮捕


会員限定記事会員サービス詳細