未曽有の大災害を引き起こした東日本大震災から11年が経過した。震災の教訓の継承は次の災害の備えとして重要だ。先人が各地で遺(のこ)してきた災害の伝承碑は、最も古くから使われている教訓の伝え方だが、国土地理院は、その意義を見直す取り組みを進めている。全国各地の碑の情報を収集して同院が運営する「重ねるハザードマップ」に集約。地元の人だけが知っていた教訓を全国の教訓につなげるのが狙いだという。
地理院「重ねるハザードマップ」
自然災害伝承碑の集約は、平成30年7月に発生した豪雨をきっかけにスタート。翌年には13年ぶりの新地図記号として「自然災害伝承碑」を制定し、ウェブ地図「地理院地図」での掲載を開始。昨年11月からは情報利用促進のため、「重ねるハザードマップ」にデータを落とし込み始めた。