【ワシントン=大内清、北京=三塚聖平】バイデン米大統領は18日、中国の習近平国家主席とオンライン会談を行った。バイデン氏は中国がロシアによるウクライナ侵攻に協力すれば深刻な代償を払うことになると警告するとともに、侵攻停止に向けてロシアのプーチン政権に圧力をかけるよう要求したとみられる。
米中首脳による会談は、2月24日にロシアがウクライナに侵攻を開始して以降は初めて。米国としては中露の協力関係を断ち切り、ロシアの孤立化を進められるかが焦点。会談は約1時間50分行われた。
中国国営中央テレビ(電子版)によると、習氏は「ウクライナ危機は、われわれが見たくないものだ」と述べ、「衝突と対立は、いかなる人の利益にも合致しない」と強調した。
米中関係について「正しい軌道に沿って発展させるようリードすべきだ」とも主張し、ウクライナをめぐり、米側との対立がさらにエスカレートすることを避けたい意向をにじませた。
ブリンケン米国務長官は首脳会談に先立つ17日の記者会見で、中国がロシアを支援した場合、中国に「損失を負わせることをためらわない」と述べ、制裁実施の可能性を示唆した。
ブリンケン氏は「中国にはロシアへの影響力を行使する責任がある」とした上で「実際には逆のことが起きている」と指摘した。
これに対し、中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は18日の記者会見で、「米側の一部は絶えず噓情報をまき散らし、中国を中傷、抑圧している」と反発した。