静岡市は19日、市内を走る静岡鉄道(静鉄)の列車内で、沿線を舞台にした朗読劇を上演するイベントを開いた。文化芸術で町の魅力を発信する狙い。列車内での朗読は初めてで、観客たちは車窓の風景を眺めながら熱心に聞き入った。
舞台は2両編成のレトロな旧型列車内で、予約した市民約35人や偶然乗り合わせた客が観劇。地元劇団などで活躍する俳優宮城嶋遥加さん(27)が車内を移動しながら、通過する駅ごとの見どころや沿線の歴史などを盛り込んだ三つの物語を情感たっぷりに朗読した。
オーボエとギターの生演奏をBGMに、乗客たちは新静岡駅から新清水駅まで沿線約11キロの約30分間を満喫した。同市の40代夫婦は「昔よく利用した電車内が舞台になり、新鮮な体験だった」とうれしそうに話した。
朗読劇の上演は、市が展開するアートプロジェクト「まちは劇場」の一環。