飛鳥時代の女帝・斉明天皇(594~661年)の墓とされる牽牛子塚古墳(奈良県明日香村)で3月上旬、復元されたばかりの墳丘をライトアップする試験点灯がひそかに行われた。白い凝灰岩の切石を積み上げた八角形の墳丘は、光で照らされると暗闇の中に青っぽく浮かび上がり幻想的な姿に。うわさを聞き訪れた人々は「UFO(未確認飛行物体)みたい」と目を丸くしていた。
試験点灯は既に終了している。今回は混乱を避けるため公表を控えたが、村では周辺にアサガオを植え、見頃を迎える秋の本点灯公開を検討している。牽牛子塚古墳の別名「あさがお塚」にちなんだ取り組みで、光の色も花の色に合わせた。復元された墳丘は6日から一般公開され、休日には多くの人でにぎわっている。古代史の舞台・飛鳥地方を巡る際の新たな名所となりそうだ。