ロシア利払い、債権者受領 デフォルト回避か

ロシアのプーチン大統領=モスクワのクレムリン(AP=共同)
ロシアのプーチン大統領=モスクワのクレムリン(AP=共同)

16日を利払い期限とするドル建てロシア国債の保有者が17日、ドルで利子を受け取ったと欧米メディアが報じた。米欧などの対露制裁の影響でロシア政府が利子を支払えず、デフォルト(債務不履行)に陥るとの見方があったが、とりあえずは回避した形だ。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、複数の保有者に利子が入金された。期限から1日遅れたが、30日の猶予期間内であるため、デフォルトには当たらない。

ロシア中央銀行による送金の中継銀行となる米JPモルガン・チェースが、利払いの計約1億1700万ドル(約140億円)の全額を受領。債権者への支払いを代行する米シティグループに送金されたという。

米欧や日本の対露制裁はロシア中銀の保有資産を凍結するなど、外国との金融取引を大幅に制限する内容だ。ただ、米政府は5月下旬まで債券の利子払いを例外扱いとしている。

ロシアは、制裁によってドルによる利払いが実務的にできなければ、自国通貨ルーブルで払う意向を示した。これに対し、欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスは、ルーブルで支払われれば猶予期間終了後にデフォルトと見なすとの見解を示していた。

ロシア国債の利子の支払期限は、今月から来月にかけて次々と訪れる予定だ。16日を期限とする利払いを実行しても、デフォルトのリスクが遠のいたとはいえない状況だ。(ワシントン 塩原永久)

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