16日深夜に発生した地震について、古村孝志・東京大地震研究所教授(固体地球惑星物理学)に聞いた。
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今回の地震は、東北地方太平洋沖の日本海溝で、日本列島を乗せた陸側の岩板(プレート)の下に沈み込む太平洋プレートの内部を震源として発生した。海側から押されて歪(ひず)みエネルギーが蓄積した太平洋プレート内の断層が活動した「逆断層型地震」だ。
震源が深さ約60キロとやや深く、規模もマグニチュード(M)7・3と大きいことから、東北から関東にかけてのかなり広い地域に大きな揺れが広がった。
一方、津波がそれほど大きくなかったのは、津波を発生させるにはギリギリの規模の地震で、海底の変動が小さく海水が持ち上がる量が多くなかったからだ。
東日本大震災のような、海側と陸側のプレートの境界で固着域がすべることで生じる「プレート境界型」の地震とは発生メカニズムが異なるため、東日本大震災の余震ではない。この場所では東日本大震災の余震とは無関係に、M7~7・5程度の地震が繰り返し活発に起きている。
一般的に、大きな規模の地震が起きた後は、2、3日のうちに同程度やそれ以上の規模の地震が起きる可能性がある。揺れが強かった地域では今後、少なくとも1週間程度は余震に対して十分な注意が必要だ。