岸和田城の堀をきれいに 歴史遺産活用へ市民が結集

枯れた水草が水面に露出した岸和田城の「百間堀」を調査する市民=大阪府岸和田市
枯れた水草が水面に露出した岸和田城の「百間堀」を調査する市民=大阪府岸和田市

大阪府岸和田市の岸和田城で水草に覆われた堀を清掃しようと、近隣の町会長らでつくる団体が計画を進めている。今年11月で市制100年を迎えるのを機に城の景観を改善することで、城下町の風情が残る周辺の歴史文化遺産の活用につなげるのが狙い。団体は漁業用の網を借りるなどの方法を検討しており、市民が幅広く清掃に参加するイベントを開催したい考えだ。

岸和田城は江戸時代に岸和田藩主・岡部氏の居城だったが、文政10(1827)年に天守閣が落雷で焼失した。城跡は昭和18年に府指定史跡となり、29年に3層3階の天守閣が再建された。江戸時代から現存しているのは堀と石垣だけとなっている。

堀の清掃を目指しているのは、城周辺の町会長ら7人でつくる「百間堀(ひゃっけんぼり)を美しくする会(仮称)」。城西側の二の丸跡をコの字形に取り囲み、幹線道路に面する「百間堀」と呼ばれる堀約8千平方メートルをきれいにする方法を協議している。

百間堀は夏には一面が水草やハスに覆われ、冬には枯れた水草が水面に露出する。安土桃山時代までに築城されて以来、文献上一度も堀の底をさらう「浚渫(しゅんせつ)」を実施しておらず、給排水機能も低下。水中に汚泥が厚く堆積し、腐敗臭が漂うこともあるという。

岸和田城の「百間堀」と、清掃方法などを話し合う市民ら=大阪府岸和田市
岸和田城の「百間堀」と、清掃方法などを話し合う市民ら=大阪府岸和田市

市民から「何とかしたい」との声が高まったが、浚渫には水中の文化財調査が必要となる一方、市予算では石垣の調査と保存・安全対策工事で限界。このため市民有志で少しでも清掃を進めることになった。

今月6日に同会会員らが現地を視察。市職員から「水草は水中に深く根を張っており、根こそぎすることは困難」との説明を受けた。水面に出た水草だけでも取り除くことにし、熊手でかき出すか、漁業用の底引き網を借りる案が出た。

市内のほかの地区にも呼びかけて幅広い市民に参加してもらい、水草の生育状態をみながら、夏までにイベントの形で清掃を行うことにしている。

同会会長で1級建築士の原田順三さん(60)は「市民の誇りである岸和田城を中核に城下町の歴史的景観を育成し、旧市街が昔のにぎやかさを取り戻すきっかけにしたい」と話す。

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