妊婦さん全面サポート、専用保険続々 アイアル、産後鬱や赤ちゃんの病気も対応

新型コロナウイルス禍の中、妊婦向け専用の医療保険が相次ぎ登場している。生みの親は保険金額が「少額」で契約が「短期」の少額短期保険(ミニ保険)会社で、アイアル少短(東京都中央区)は、妊娠から出産、育児までサポートする商品を開発した。充実した保障に加え、13企業・団体が付帯サービスを提供し、ママと赤ちゃん(新生児)に寄り添う姿勢を前面に打ち出した。

アイアルが2月22日に発売したのは「ママと赤ちゃんの医療保険 ディアベビー」。妊活コンシェルジュのファミワン(同渋谷区)、妊娠から1000日間を応援するミルケア(同港区)と共同で開発した。

妊娠21週目までといった妊娠週数に関係なく加入でき、妊娠・産後鬱などのメンタル疾病のほか、加入時に妊娠していても異常妊娠・分娩(ぶんべん)による入院を保障。赤ちゃんの病気による入院にも誕生直後から対応する。

さらに、新たな家族となった赤ちゃんと明るく健康な生活を送ってもらうため、親会社、住友生命保険の協力を得て「ママにうれしい大応援団」を結集した。産前・産後の相談に応じたり、商品購入時の割引券を発行したりしてサポートする。

ディアベビーの保障期間は1年だが、出産後の2年目は妊婦以外の女性も加入できる「すべての女性向けプラン」に自動で移行する。出産による異常妊娠・分娩や赤ちゃんの病気による入院リスクがなくなるためで、保険料は安くなる。大応援団の付帯サービスは継続して受けられる。

開発のきっかけは、保険比較サイト「保険ウィズ」を運営するウィズハート(横浜市鶴見区)の木代晃輔社長から「妊娠・出産期の疾病リスクが高いことは承知しているが、妊婦向け専用商品を開発できないか」と持ちかけられたことだった。同社の女性スタッフが切迫早産で長期入院したことで必要な保障に気づいたという。

多くの医療保険は妊娠中に加入できず、加入できても今の妊娠・出産は保障対象外になるのがほとんどという。リスクが高いと保険会社が考えるからで、特に切迫早産・流産は長期入院や帝王切開による手術で支払う保険金が多くなる。

しかし妊娠・出産異常は多く発生。厚生労働省の調査などによると、流産は全妊婦の約15%、帝王切開は約20%、先天的な病気を持って生まれてくる赤ちゃんは約3%という報告もある。

日本の令和3年の出生数は84万人と過去最少に落ち込んだ。少子化対策として菅義偉前首相が打ち出した不妊治療の保険適用は4年度から始まる。一方で多くの妊婦が「無事に出産できるか」という不安を抱えながら新型コロナ感染リスクにも備えなければならない。

こうした中、妊娠後も加入できる医療保険の提供に乗り出したのがミニ保険業界だ。スマートプラス少短(東京都千代田区)が2年に発売した「母子保険はぐ」を機に参入が相次ぐ。後発のアイアルは「妊娠から育児まで長期にわたり保障し、ママだけでなく赤ちゃんも守る」(安藤克行社長)という商品コンセプトで開発。賛同した企業による協力体制も築き、妊婦の産前・産後の負担軽減を図る。安藤社長は「月間100件、3年後に5000件の加入を目指す」と意気込む。(松岡健夫)

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