ウクライナ侵攻とエネルギー
ロシアがウクライナに侵攻した2月24日の夜、欧州系トレーダーがインドネシアの石炭を購入したとの情報が資源市場に駆け巡った。欧州は今世紀末までに二酸化炭素排出量ゼロを掲げ世界の脱炭素化を先導してきた。
だが、ロシア暴挙の現実味が増したこの年末年始には、ロシア産を中心に石炭を約5割も買い増ししていたことも判明、侵攻直後には日本が主に買い付けているインドネシア産やオーストラリア産の争奪戦に加わった。石炭のスポット価格は年初から2倍に跳ね上がり、3月頭には一時1トン当たり425ドルの値を付けた。2年前は50ドル界隈(かいわい)だった。