JR西日本は16日、大阪駅(大阪市北区)北側の再開発地区「うめきた2期」で来年3月に開業を予定している新しい地下駅の概要を発表した。2025年大阪・関西万博の開催を踏まえ、同駅を顔認証システムやロボットといった最先端技術を活用する「実験場」としていく。
テーマは「JR WEST LABO」。ホームには、あらゆる車種や編成に対応できるフルスクリーンタイプの新型ホームドアを世界で初めて設置する。列車に合わせてゲートの位置を自在に移動させ、利用客らの転落を防ぐ。
また駅内の案内板はデジタル化し、JR西のスマートフォンアプリと連動させることで、利用者の目的地に応じて表示内容を変更。より詳細な道案内ができるようにする。
将来の本格導入に向け、最先端技術の実証実験も積極的に行う。改札の一部を顔認証カメラで通過できるようにし、コインロッカーといった駅内や周辺施設でのほかのサービスにも顔認証を広げていく方針。駅員にかわって道案内するロボットの開発も進めている。JR西は「他社とも連携しながら、うめきたに最先端技術を集めていきたい」としている。
地下駅は大阪駅の新たなホームと位置付け、改札内の連絡通路でつなげる。両側に線路がある、島のようなホームを2つ置く「2面4線」を採用。新大阪を経由して京都と関西国際空港をつなぐ特急「はるか」が停車するようになるほか、大阪市を南北に走る新線「なにわ筋線」(令和13年春開業予定)の起点にもなる。
これまで、大阪-関西空港駅間は最速64分で結ばれているが、はるかが利用可能になれば平均48分に短縮される。また、なにわ筋線が開業すれば平均44分に縮まり、利便性はさらに高まる。
万博が開催される7年春には、地上3階建ての新たな駅ビルが全面開業する。ビルは都市公園を中心とする再開発全体のイメージとあわせ、屋上緑化などを取り入れるという。