福岡の都市格向上へ、JR博多駅の在来線上空に新ビル

博多駅空中都市プロジェクトの広場・通路イメージ(JR九州提供)
博多駅空中都市プロジェクトの広場・通路イメージ(JR九州提供)

JR九州は16日、博多駅(福岡市博多区)の在来線上空を活用して建設するビルの計画概要を発表した。地下1階、地上12階建ての新ビルにオフィスやホテルが入居する予定で、来年度中に着工、令和10年末の完成を目指す。博多駅周辺では、福岡市がビルの建て替え支援事業「博多コネクティッド」を進めており、JR九州は、九州の玄関口に新たな「顔」となるビルを開発し、福岡の「都市格」をさらに高める考えだ。

JR博多駅在来線の上空に建設する「空中都市プロジェクト」の鳥瞰イメージ(JR九州提供)
JR博多駅在来線の上空に建設する「空中都市プロジェクト」の鳥瞰イメージ(JR九州提供)

計画によると、建設地は博多駅の南側のエリアで、8線ある在来線のうち6線の上空を活用。延べ床面積は約5万平方メートルで、1階を商業ゾーンとし、3~8階にオフィス、9~12階にホテルを入れることを想定している。在来線は2階部分を使用する。

博多駅空中都市プロジェクトを発表するJR九州の青柳俊彦社長(右)と福岡市の高島宗一郎市長
博多駅空中都市プロジェクトを発表するJR九州の青柳俊彦社長(右)と福岡市の高島宗一郎市長

新ビル開発は「博多駅空中都市プロジェクト」と銘打ち、ビジネスと観光の両面で福岡を世界から選ばれる都市にするための起爆剤に位置づける。オフィスは、駅周辺で最大規模となる1フロア約3300平方メートルの貸し床面積を確保し、外資系金融機関などの誘致で、市が目指す国際金融都市構想の実現を後押しする。外資系高級ホテルの誘致も計画している。

このほか、新ビルには、脱炭素社会を牽引(けんいん)する環境性能を持たせ、アートを感じさせる空間をつくるなどして魅力を創出する。

JR九州は、事業構想を平成31年3月に発表していたが、新型コロナウイルス禍の影響で業績が大きく悪化。青柳俊彦社長は同市内で開いた記者会見で、数百億円規模の投資を伴う今回の事業について見送りも検討したことを明らかにし、「やめることも含めて検討したが、福岡の中で博多駅の存在は大きい。グループが成長するための中心的なプロジェクトだと再確認した」と語った。また、在来線をまたいでビルを建設する事業について「難しい工事になると思うが、福岡のランドマークとなる新たな都市づくりをしたい」と述べた。

記者会見に同席した高島宗一郎市長は「企業を誘致していく上で強みになる。ポストコロナを見据えたチャレンジであり、敬意を表する」と語った。

博多コネクティッドは、博多駅から半径約500メートルの範囲でビルの建て替えを促す市の支援事業で、平成31年1月に始動した。令和10年末までに完成するビルを対象に容積率緩和などの優遇策が盛り込まれ、10年間で計20棟の建て替えを目指している。(一居真由子、中村雅和)

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