日米欧からの経済制裁を受け、ロシアが国債の元本や利息を期日までに支払えないデフォルト(債務不履行)に陥る危険性が高まっている。支払いの原資となる露中央銀行の外貨準備の約半分が制裁で凍結されているとみられるためだ。ロシアは外貨ではなく、自国の通貨ルーブルで支払うとの強硬姿勢を見せているが、16日にはドル建て国債の利息約1億1700万ドル(約138億円)の支払い期日を迎えるとされ、露側の対応が注視される。
ロシアの外貨準備は各国の中央銀行が保管しているが、欧米や日本は対露制裁で保管額を凍結した。露中央銀行は約6300億ドルの外貨準備を保有しているとされるが、その約半分が凍結されたとみられる。利息の支払いは1カ月の猶予期限があるが、今後も支払い期日は相次ぎ訪れるため、いずれデフォルトせざるを得ないとの見方が強い。
外貨不足に陥ったロシアは、プーチン大統領が5日、自国通貨での対外債務返済を一時的に容認する大統領令に署名するなど苦しい対応を続けている。ただ約束された通貨での支払いの拒否は「返済を事実上踏み倒す行為に等しい」(アナリスト)のが実情で、格付け会社などはロシアが実質的にデフォルトしたと認定する可能性もある。
海外投資家が保有するロシアの外貨建て国債の残高は200億ドル程度とされ、金融市場への影響は限定的との見方もあるが、デフォルトは市場におけるロシアの信用度をさらに低下させ、すでに暴落している通貨ルーブルをさらに下落させるとみられている。