がん電話相談から

画像検査で見えない子宮体がん 摘出は必要?

Q 56歳女性です。月経不順でクリニックを受診したところ細胞診異常が見つかり、市立病院で細胞診と組織検査を受けた結果、子宮体がんと診断され、子宮を摘出するようにすすめられました。しかし造影剤を使った磁気共鳴画像装置(MRI)検査では腫瘍結節(しこり)は確認できていません。それなのになぜ子宮の摘出が必要になるのでしょう。

A 月経不順があれば、子宮頸部(けいぶ)細胞診に加えて子宮内膜細胞診を行います。この結果、子宮体がんか、子宮体がんの疑いがあると診断されれば、子宮内膜審査切除術で子宮の内膜組織を採取して組織診断します。その際、金属製の鋭匙(えいひ)と呼ばれる採取器具で、子宮内腔の前後左右の4方向を搔把(そうは=かき取ること)します。

その結果、異型腺組織(がんとはいえないものの、正常ではない形態の腺組織)が認められれば「子宮内膜異型増殖症」、いわゆる子宮体がんのステージ0となります。

これに対し、がん組織が認められ、その顔つきが子宮内膜に類似していれば類内膜がんとなります。組織分化度の高、中、低の違いで、それぞれG(グレード)1、G2、G3とサブタイプ(亜型)に分類され、グレードが低いほど悪性度が高いとされます。

今回の造影MRI検査では、がんの結節は見られず、子宮体部筋層への浸潤も確認できなかったため子宮体がんステージIaと診断されました。

Q ホルモン治療など子宮摘出以外の治療方法はないのでしょうか。

A 40歳未満で妊娠を希望する場合は、子宮内膜を人工的に「分泌期内膜」の状態に変えたあと、静脈麻酔下で子宮内膜の全面搔把を行い、がん組織を消滅させる「高単位黄体ホルモン治療」が受けられます。分泌期内膜とは、黄体ホルモンの働きで子宮内膜が受精卵を受け入れやすいよう変化した状態のことを指します。

6カ月以上にわたるこの治療により、約3分の2はがんが消滅し、その約半分は妊娠出産が可能です。全体でみれば約3分の1は妊娠分娩(ぶんべん)が可能になります。しかし患者さんは56歳なので、この治療の適応はありません。子宮全摘術と卵管卵巣摘出術を受けるべきでしょう。

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